歯の長さが短かったり、長くする必要がある場合、「歯冠長延長術」という歯周外科処置が適応となることが多いです。
歯冠長延長術の目的には、機能の改善、お手入れの行いやすさの改善、見た目の改善など多岐に渡ります。
実際の適応症は以下の通りさまざまなものがあります。
・歯肉縁下う蝕(歯ぐきの奥に進んだ虫歯)
・歯が虫歯で根だけになった歯(かぶせものが維持できない状態)
・歯ぐきが盛り上がり、歯の露出量が少ない歯(かぶせものを作るスペースが少ない)
・歯の長さのバランスが悪く、審美的問題を生じている場合
・ガミースマイル
治療例1(かぶせものを作るスペースが少ない症例)
こちらの症例は、もともとのかぶせものが非常に外れやすい状態でした。原因としては、黄色の矢印の部分の歯ぐきがかなり分厚く盛り上がっており、歯が埋もれておりかぶせものを作れるスペースがなかったことが考えられました。かぶせものは維持力を発揮して長持ちするためには3〜4ミリ程度の高さが必要と言われておりますが、こちらの症例ではその高さが不足しておりましたため、歯冠長延長術を行いました。
外科処置にかかった費用5.5万円(税込)※かぶせもの費用は別途
予約時間60分 処置時間30分
環境改善により、黄緑の矢印で示すように、適切な高さの歯が露出し、被せ物の維持力と強度を確保することができ、さらにはお手入れしやすい位置にかぶせ物の継ぎ目を設定でき、予後の向上を図ることができました。
起こりうるリスク:治療後、痛みや違和感、出血、腫れなどが出る事があります。
治療例 2(歯ぐきの奥に進んだ虫歯)
歯ぐきより深くに進行した虫歯には、「歯肉縁下う蝕」という病名がつきます。
①レントゲンから詰め物の奥が虫歯になっている ②虫歯に歯ぐきが被っており、虫歯の範囲を確認することもできない。
虫歯治療が適切に行えず、 修復したとしても不確実で、修復後もお手入れしにくい状態でした。
虫歯の位置を確認しながら歯ぐきと骨の調整を行い、修復後の清掃しやすい環境づくりを目的に歯冠長延長術を行いました。
外科処置にかかった費用5.5万円(税込)※つめもの費用は別途
予約時間60分 処置時間30分
起こりうるリスク:治療後、痛みや違和感、出血、腫れなどが出る事があります。
術後約1ヶ月の治癒を待ち、治癒した状態で確実に虫歯を取り除いていき、ダイレクトボンディング修復を行いました。
確実に修復することができ、かつ清掃しやすい状態となりました。
歯肉縁下う蝕の場合、そのまま無理して修復しようとするといくつかの問題が生じやすくなります。具体的には、精密な修復が難しくなり、結果として段差が残りやすくなります。修復部位の継ぎ目に段差が生じてしまうと、どのような清掃道具を使ったとしても「磨いても磨けていない」状況が生まれてしまいます。そうなると時間経過とともに継ぎ目の部分から二次的な虫歯が生じやすくなります。また、歯と修復物との継ぎ目は歯ぐきの深い位置に設定されるわけですので、清掃器具を当てること自体が難しくなります。長期的な視点から言うと、簡単に「清掃できる」ということはとても重要なポイントになります。
歯冠長延長に関する過去の記事
・歯肉縁下う蝕(歯ぐきの奥に進んだ虫歯)への対応はこちら>>>
実際に当院にご来院されました患者様には、具体的な資料やご自身の状況に近い治療実例を見て頂き、治療に関するご相談をさせて頂きます。
当院は阪急京都線西山天王山駅徒歩2分、京都縦貫道長岡京インター目の前の立地のため、長岡京市、大山崎町、京都市、向日市、亀岡市、宇治市、城陽市、綾部市、福知山市、高槻市、島本町、枚方市、茨木市、大阪市その他、広域からの来院が可能となっております。