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「抜歯」について

「抜歯」はできたらしたくないもの・・・

不幸にも虫歯や歯周病、根の問題が進行した時、あるいは歯が割れてしまった時に、一線を超えてしまうとそのまま歯を残しておくメリットよりもデメリットやリスクが大きくなってくることがあり、その場合は抜歯を余儀なくされます。

抜歯しなければならない歯を放置しておくとどうなる?

お口の中は「症状がない=問題がない」でないことが多いです

症状がない中で歯の周りの感染の範囲は徐々に拡がっていき、最初は1本の問題だったものが隣の歯を巻き込んだり、あるいは上アゴの場合は副鼻腔に感染が拡がると上顎洞炎、下アゴの場合は大きな神経まで感染が到達するとしびれや骨髄炎などの大きな問題に発展することもあり、大学病院へと抜歯を依頼しなければならないこともあります。

歯を抜きたくないという気持ちは誰しもの想いではありますが、実際に抜くか抜かないかは将来のことも考えて、メリットとデメリットを天秤にかけて決めていくことになります。

抜歯すると決まったら

抜歯後に生じた歯の欠損に対して、どのような治療(入れ歯、ブリッジ、インプラント、矯正、放置)を行うのかを抜歯前に決めておくことが望ましいです。

治療の方針によって抜歯の方法やタイミングは変わりますので、選択される治療法に適した抜歯法を選択されることをお勧めいたします。

「とりあえず抜歯してからその後のことは考える」

この考え方は時としてその後選択する治療にマイナスが生じることもありますので、ご注意ください。

不用意に抜歯して大きなヘコみを生じた後での治療は、可能ではありますが治療期間が長くなったり、外科的侵襲が大きくなったり、というマイナスが生じやすいです。

抜歯前の確認事項

次の項目に該当する方をはじめ、抜歯処置(外科処置)を行うにあたり全身に何らかのご不安をお持ちの方は必ず事前にクリニックスタッフへとお申し出くださいませ。

・喫煙者

・高血圧・不整脈

・心疾患(狭心症・心筋梗塞など)

・脳疾患

・糖尿病

・ステロイド療法を受けている方

・腎疾患               その他 

その場合、医科と歯科の連携が必要となる場合がございますことをご了承下さいませ。

抜歯に用いる器具

ここで抜歯に用いる器具を紹介します。

一般的に抜歯に用いる器具

このようなペンチのような器具(鉗子、左)や、くさび効果(てこの原理)を用いて歯を抜く器具(挺子、ヘーベル、右)を用いて抜きます。

また、抜いた後は周囲に感染による膿(うみ)が溜まっていることが多いので、

このようなスプーンのような器具(鋭匙;えいひ)を用いてゴリゴリと掃除(掻爬;そうは)します。膿が残った状態で抜歯を終えてしまうと、回復するはずの骨が十分に回復しなくなり、ヘコみが大きくなってしまいます。

質の高い抜歯を行うために用いる器具

前述の器具を用いても抜歯は行えますが、器具がうまくフィットしなかったり歯が脆く掴むところがないと、抜歯時に歯の周りの歯ぐきや骨をズタズタにしてしまうこともあり、抜歯後のヘコみが大きくなり、その後の治療にも影響します。

特に前歯などの見た目に関わるデリケートな領域の抜歯を行う際は、次の動画のように特殊器具を用いて抜歯することで歯の周りの歯ぐきや骨を維持し、抜歯に伴って生じるヘコみを抑えることにつながります。

綺麗に抜歯するメリットはやはり大きいです。

また、抜歯後の膿の掃除(掻爬)に関しても、スプーンのような器具(鋭匙)でもおおかたは綺麗になりますが、

マイクロスコープ (歯科用顕微鏡)下で写真のEr:Yag Laser(エルビウムヤグレーザー)を用いると、骨の細かい凹凸の中に入り込んだ細かい膿のかたまりを徹底的に除去することができるため、骨の回復量も大きくなります。

同じ抜歯でも、上記のような抜歯器具や抜歯後のお掃除器具にこだわることで、治癒後の骨と歯ぐきのヘコみは少なくすることができるので、次の治療の条件がより良くなります。

抜歯時に併用する治療オプション「抜歯窩保存術(Ridge Preservation,Socket Preservation)」

歯を抜いた穴の中に人工の骨移植材を入れ、ヘコみを少なくする「抜歯窩保存術」を併用することがあります。

こちらの症例は右の前歯が歯根破折を生じており、抜歯してブリッジ治療を行なっていくことになりました。

周りの組織を痛めないように丁寧に抜歯し、抜歯窩保存術を行いました。具体的には、抜歯した穴の中をレーザーを用いて徹底的に膿を除去し、骨移植材を安定させるための吸収性の膜を設置した上で骨移植材を詰め込みました。そしてその上の部分をコラーゲンのスポンジで封鎖して血が溜まりやすくし、さらに仮歯を用いて中身が出てこないようにフタをしています。

抜歯窩保存術の費用:5.5~11万円(税込)

抜歯窩保存術は、抜歯する歯の感染の状態や、抜歯後の治療法により適応とならない場合がありますので、状況に応じてご相談させて頂きます。

術後抜歯した部位のヘコみは2ヶ月間ほとんど生じることなく、ここからブリッジ修復を進めていくことになりました。(写真はいずれも仮歯)

最終のブリッジの状態です。ヘコみが少なくなると、見た目が良いだけでなく、お手入れのしやすい環境を維持することができます。

治療終了後7ヶ月の状態です。歯ぐきの状態は変化なく安定しています。

抜歯後のリスク・副作用・注意事項

⑴  止血

 ①手術当日はうがいをあまりしないでください。

  うがいを頻繁にすると、血が止まりにくく痛みや治癒を悪くする原因となります。

 抜歯した穴に血が溜まると骨として治りますが、うがいをすることで血の塊が外に流れ出てしまうと、穴の中に骨ができず、へこみが大きく綺麗に治らない場合があります。

 ②手術当日くらいまでは唾液に少量の血が混ざります。

  多量に出血する場合は清潔なガーゼなどを少し湿らせて丸め、傷口に当てて20分程強く噛んで圧迫すると止血します。

⑵  痛み

 ①麻酔の効果は2時間前後持続し、麻酔が切れると痛みを感じる事があります。

  特に浮いた歯の周囲に炎症が強くあった場合は、痛みが出る可能性が高いです。

  痛みがひどい場合は鎮痛剤を服用してください。

 ②抗生物質は痛みなどの症状がない場合でも、身体に変調(腹痛・下痢・湿疹など)

  がない限り、処方された日数分服用してください。二次感染の予防効果があります。

⑶   腫れ・内出血斑

 ①顔の腫れ・内出血斑(青あざ)が出る事があります。腫れのピークは2~3日後です。

  腫れを出来るだけ抑えるため、抜歯当日のみ術部をよく冷やしてください。

 ②内出血斑は数日で自然に消えていきます。

⑷  その他

 ①抜歯部位を指や舌で触らないようにしてください。

 ②当日のお風呂は、湯船には浸からず、シャワーにしてください。

 ③激しい運動は控えてください。

 ④飲酒・喫煙は控えてください。

 ⑤食事は麻酔が切れてから、柔らかいものを反対側でゆっくり噛むようにしてください。

 ⑥熱いもの、刺激物は避けてください。

 ⑦抜歯部位以外の歯は、原則的にはいつも通り磨いてください。

抜歯を検討されている方、予定されている方は一度上記をお目通しいただけますと幸いです。

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