歯と歯ぐきと骨の基本構造は、知っておくと治療の説明をする時や治療計画の相談をする時にご理解が得られやすいと思います。
歯には頭の部分(「歯冠」:しかん)と支えとなる根の部分(「歯根」:しこん)があります。
歯冠の表層は白くて硬い「エナメル質」からなり、硬いものを噛み砕くことができます。エナメル質の内層には少し柔らかい「象牙質」があり、さらに内側に神経や血管の通る「歯髄:しずい」があります。
歯根は「歯槽骨」というあごの骨に支えられています。歯を家に例えると、歯槽骨は地盤の支えの部分ということができるでしょう。歯根の表面は薄い「セメント質」と言われる層で覆われ、歯槽骨とセメント質の間には、強く噛んだ時の圧力を和らげるクッションのような役割を果たす「歯根膜:しこんまく」があります。
歯槽骨を覆う歯ぐき(「歯肉」:しにく(歯ぐき)は、歯槽骨や歯根の中に細菌が入り込まないように防御しています。
日本人の歯を失う2大原因は「虫歯」と「歯周病」ですが、虫歯は歯の本体の問題であり、歯周病は歯の支えの組織(歯周組織)の問題となります。
骨は歯を支え、歯ぐきは歯と骨を守る大切な組織です。
歯と歯肉と歯槽骨全てが健康を保っている状態が、歯が長持ちする秘訣であると言えます。