インプラントは、歯根に相当するチタン製のネジを顎の骨に埋め込む治療法です。人工歯根と顎の骨が一体化することで、天然歯と同じようにしっかり噛めます。
何らかの理由で歯を失った場合、ブリッジ・入れ歯・インプラントのいずれかで欠損部を補う必要があります。ここではそれら3つの治療法のメリット・デメリットを比較します。
種類 | 入れ歯 | ブリッジ | インプラント |
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概要 | 人工歯と歯茎を覆う義歯床(ぎししょう)から成る装置です。着脱式で、口腔内には金属製の留め具や粘膜への吸着で固定します。1本からすべての歯を失った症例まで、幅広く対応できます。 | 欠損部の両隣の歯を削り、支台歯(支え)とします。固定式の装置で、複数の人工歯が橋を渡すように連結されます。 | 人工歯根と上部構造(人工歯)、それらをつなぐアバットメント(土台)から構成される装置です。 |
メリット |
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デメリット |
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※表は左右にスクロールして確認することができます。
当院では、「安全・安心で長持ちする」ことをコンセプトにインプラント治療を行っております。インプラント治療においても天然の歯と同じように「清掃しやすいかどうか」「かみ合わせが安定しているかどうか」が長持ちのための鍵になると考えております。清掃しやすいことを第一に「歯」と「歯ぐき」と「骨」を扱い、かみ合わせを考慮して最終のゴールを目指します。
世界で100種類以上あるインプラントシステムの中で、当院ではZimmer Biomet社(旧Biomet 3i社)のインプラントを採用しております。Biomet 3i社は、1987年にアメリカで歯周病専門医が立ち上げた歴史あるインプラントメーカーであり、2015年に大手医療機器メーカーZimmer社と合併し、Zimmer Biomet社と名前を変えました。現在も世界3大シェアの一つと言われる信頼のおけるインプラントメーカーとなります。インプラントの特徴としては、歯周病学的な配慮に基づいたインプラントの表面構造を有し、補綴(かぶせもの)パーツも非常に精度が高く豊富なラインナップを誇っておりますので、さまざまな症例に対応できるものとなります。
当院のインプラント治療では、必ず歯科用CTによる精密診断を行っております。顎の骨の状態を3次元的に把握できるため、人工歯根の最適な埋入角度、深さ、方向をシミュレーションできます。診断の精度が高まることから、インプラントオペに伴う偶発症のリスクをを可能な限りゼロに近付けることができます。
インプラント治療の適応の可否は、顎の骨の状態に左右されます。骨幅や骨量、骨密度などが不足していると、人工歯根を安全な形で埋入できないからです。ただし、骨を増やす方法、骨を再生させる方法などを行えば、インプラント治療が可能となることもあります。
骨の状態が悪く、骨量が不足している場合も、以下に挙げるような骨造成術を実施することで、治療可能となる場合が多いです。
GBR(骨誘導再生法) | ソケットリフト | サイナスリフト |
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骨が不足している部分に補填材を挿入し、メンブレンと呼ばれる特殊な膜を設置することで骨の再生をはかる治療法です。専門的には骨誘導再生法とも呼ばれます。 | 上顎の骨が軽度に不足しているケースに適応される骨造成術です。口腔内から上顎洞底部を持ち上げてすき間を作り、骨移植を行います。 | 上顎の骨が比較的広範囲に不足しているケースに適応される骨造成術です。 |
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