割れた歯を放置すると、歯だけでなく骨を失うことにつながります。
40代 女性 骨造成を伴うインプラント症例

こちらの患者様は、神経のない歯にヒビが入ってしまい、長期間放置したことで感染により骨が吸収してしまっています。歯を残すことが難しく、残念ながら抜歯することになりました。
抜歯後

感染を起こした歯を無理に長期間置いておくと、抜歯後に骨と歯茎に大きな凹(へこ)みを生じます。抜歯後2ヶ月で歯ぐきの治りを待ってから、インプラント手術を行いました。
一次手術(インプラント埋入+骨造成)

写真のように、骨がない場合はインプラント埋入時に治療オプションとしての骨移植材を用いて、骨造成(骨を作る処置)を併用しなければ、インプラントの一部が骨から露出して治療後に汚れの溜まり場が残り、長期安定は得られません。
骨造成オプション | 5.5〜16.5万円(税込) (材料や使用方法によって費用設定が変わります) |
術後起こりうること | 痛みや違和感、出血、腫れ、内出血などが出る可能性があります。 骨が固まるまでの期間を考えて、治療期間は1−2ヶ月長くなります。 |
二次手術
インプラントが骨と結合し、作った骨が固まるタイミングまで待ってから、歯ぐきを切開して仮のアバットメント(土台)を装着します。

この症例においては、歯ぐきを切開してズラして縫合することでインプラント周囲の歯ぐきを増やすような方法(歯肉弁根尖側移動術)を採用しております。
二次手術料 | 5.5万円/本(税込) |
歯肉弁根尖側移動術 | 1.1万円/本(税込) |
手術後、痛みや違和感、出血、腫れなどが出る可能性があります。

二次手術前後の比較です。歯ぐきの幅が増えて、清掃しやすい環境が整いました。
最終上部構造


ピンク印:インプラント治療した部位
治療終了時の状態です。骨のラインが改善しました。骨の段差は少ない方が、基本的に細菌の溜まり場は少なくなります。


ピンク印:インプラント治療した部位
長期安定を目指したインプラント治療
インプラント治療に関しては、治療期間や外科的侵襲、お手入れのしやすさなどに関してさまざまな考え方があるかもしれませんが、当院ではインプラント治療においても治療結果の長期安定が最も大切なポイントであると考えております。そのためには、必要な時には骨造成や歯肉移植などもご提案させていただきますので、治療内容に関してはお気軽にご相談ください。
実際に当院にご来院されました患者様には、具体的な資料やご自身の状況に近い治療例を見て頂き、治療に関するご相談をさせて頂きます。
監修者情報

歯科医師 小谷洋平
経歴
- 京都府生まれ 洛南高等学校卒業
- 2009年 岡山大学歯学部卒業 岡山大学病院にて研修
- 2010年 貴和会新大阪歯科診療所 入職 佐々木猛先生に師事
- 2017年 貴和会新大阪歯科診療所 副院長就任
- 2019年 貴和会銀座歯科診療所 勤務
- 2021年 おだに歯科クリニック 開院
所属学会 他
- 日本臨床歯周病学会 認定医
- 日本顎咬合学会 咬み合わせ認定医
- 国際歯科臨床教育研究会 生活習慣と歯周病に関する認定医
- 日本口腔インプラント学会 会員
- 日本補綴歯科学会 会員
- 岡山大学大学院 インプラント再生補綴学分野 地域連携研修登録医
- 岡山大学病院 口腔インプラント講習会 会員
- JIADS(The Japan Institute for Advanced Dental Studies)講師