抜いた歯の影響で大きく骨を失った人にも固定式の歯を作ることは可能です。

目次
60代 男性 弱った歯の感染の影響で、抜歯後に大きな凹みを生じている症例です。
CT撮影

CT画像を見ると大きく骨が失われている状態でした。インプラントを用いた固定式の歯の修復を希望されましたが、このようなケースでは「骨を作る」という治療オプションが必要となることが多いです。
一次手術(インプラント埋入+骨造成)

事前のCT画像によるシミュレーション通り、インプラント体を埋入するとインプラントのネジが大きく露出した状態(左写真)です。骨を作りたいところにチタン性のピンをテントの支柱のようなイメージで植立し、骨移植材を用いて骨造成を図りました(右写真)。
一次手術料 | 11万円(税込)※2本目以降は5.5万円/本(税込) |
インプラント体 | 15.4万円/本(税込) |
骨造成オプション | 5.5〜16.5万円(税込)(材料や使用方法によって費用設定が変わります) |
手術後、痛みや違和感、出血、腫れなどが出る可能性があります。

一次手術治癒後の状態です。骨造成を図ったことで、もともとの歯ぐきのヘコみが改善しました。
二次手術

インプラントが骨と結合したら、次に行うのは「頭出し」と言われる二次手術となります。頭出しを行うことで、治癒後にインプラントを支えとした歯を作製することが可能になります。
また、頭出しのタイミングは周囲の歯ぐきの状態を改善するチャンスでもあり、歯周病手術の技術を応用することが多いです。本症例においてはインプラント周囲の歯ぐきをさらに増やすようにズラして縫い合わせを行い、手前の歯との流れを整えて清掃しやすい環境作りに努めました。
二次手術料 | 5.5万円/本(税込) |
歯肉弁根尖側移動術 | 1.1万円/本(税込) |
手術後、痛みや違和感、出血、腫れなどが出る可能性があります。
※歯ぐきが不足している場合は、治療オプションとして歯肉移植を併用する場合があります。

二次手術治癒後の状態です。
最終上部構造


ピンク印:治療した部位

最終上部構造完成時です。段差があった骨のラインは整い、天然の歯とインプラントの歯、そして周囲の歯ぐきも整い、歯ブラシと1本の歯間ブラシのみで清掃が可能となりました。
術前・術後の比較

天然の歯もインプラントの歯も、お手入れしやすいことが長持ちの秘訣です。そして、歯と歯ぐきと骨が連続的に整うことが、見た目と機能とお手入れのしやすさを兼備させるためには必要なポイントとなります。
複雑な問題でお悩みの方は、いつでもお気軽にご相談下さいませ。
実際に当院にご来院されました患者様には、具体的な資料やご自身の状況に近い治療例を見て頂き、治療に関するご相談をさせて頂きます。
監修者情報

歯科医師 小谷洋平
経歴
- 京都府生まれ 洛南高等学校卒業
- 2009年 岡山大学歯学部卒業 岡山大学病院にて研修
- 2010年 貴和会新大阪歯科診療所 入職 佐々木猛先生に師事
- 2017年 貴和会新大阪歯科診療所 副院長就任
- 2019年 貴和会銀座歯科診療所 勤務
- 2021年 おだに歯科クリニック 開院
所属学会 他
- 日本臨床歯周病学会 認定医
- 日本顎咬合学会 咬み合わせ認定医
- 国際歯科臨床教育研究会 生活習慣と歯周病に関する認定医
- 日本口腔インプラント学会 会員
- 日本補綴歯科学会 会員
- 岡山大学大学院 インプラント再生補綴学分野 地域連携研修登録医
- 岡山大学病院 口腔インプラント講習会 会員
- JIADS(The Japan Institute for Advanced Dental Studies)講師