当院では身体に優しく長持ちすることを大切に考えております。
ピンク印:治療した部位
セラミックインレーは型取りを行い、詰め物を作製する「間接法」と言われる方法です。詰め物を模型上で精密に製作することで、隣の歯とピタッと合った状態で形態を回復することが可能です。
40代 女性 銀歯のやり直し症例
銀歯の部分にフロスを通すと裂けてしまい、適切にお手入れができない状態でした。
レントゲンを撮影しても詰め物の段差が確認でき、所々詰め物の奥には虫歯が疑われる状態でした。
日常的に顕微鏡下にて虫歯を確認して除去している立場から申しますと、銀歯は材質と治療法の違いのため、残念なことに外してみると8~9割くらいの割合で多かれ少なかれ虫歯が確認できます。
また、銀歯にはアレルギー性の高いものから発癌性の高いものまでさまざまな種類のものがあります。
銀歯の除去からラバーダム+顕微鏡治療
こちらの銀歯はレントゲン写真からも境目から虫歯があり、
このようにラバーダムを装着した状態で顕微鏡下で安全に金属と虫歯を取り除いていきます。
そして歯の形を精密に整え、型取りを行った上で技工士と協力して詰め物の作製に取りかかります。
E-maxのつめものは、耐久性と審美性、精密性を兼ね備えた非常に優れた詰め物となります。主成分は二ケイ酸リチウムといって歯と同程度の硬さを有し、レジン系といわれる強力な接着剤を用いることで歯と一体化し、非常に高い強度を発揮します。また、適切に歯の形を整えることで適合精度も高いものとなります。さらにはアレルギー性は低く、身体に合いやすい材料とも言えるでしょう。透明感が高いため、変色歯などの場合は色調がマッチしにくいかもしれません。
詰め物装着時のラバーダム防湿
E-maxの強度を発揮するために必要なレジン系セメントは実は水分に弱いという特徴があります。お口の中は湿度90%台と言われる環境ですので、写真のようにラバーダムというゴムの装置もしくはZOOという吸引機によって唾液や呼気の湿度をコントロールします。そうすることで接着材は本来の接着力を発揮することができ、より良い予後につながると言われています。
また、歯の表面は汚れや唾液のタンパクなどを徹底的に除去し、細かい処理を行うことで、これも接着力の強化につながります。
術前・術後の比較
治療部位
ピンク印:治療した部位
本当は短時間で治療が終わったほうが患者様は楽なんですが、こういった工程を丁寧に行うと時間がかかります。それでも手間を省くと外れやすくなったり、虫歯のリスクが上がったりします。長期安定という視点ではどの作業工程も外せない内容になりますので、お時間がかかることをお許しください。
インレー修復 VS ダイレクトボンディング 修復
部分修復であるセラミックインレー修復とダイレクトボンディング修復にはそれぞれ適応症(向き不向き)があります。
インレー修復の適応症
セラミックインレー修復は、隣の歯と接する部分の歯がほとんど残っていない場合に、隣の歯との接触具合を回復する時に適しています。また、もともと大きめの詰め物をしていたり、虫歯による歯の欠損が大きい場合に適応になることが多いですが、虫歯の範囲が小範囲の場合は歯を削る量が大きくなることがあります。
また、色調が綺麗なことは言うまでもなく、ルールに則った形成(形を整えること)を行えば、適合精度(段差の有無)も非常に良好な状態で装着できます。
このように元々の詰め物が隣の歯と接する部分のほとんどを占めている場合、ダイレクトボンディング修復は難しくなり、インレー修復が適応になります。
ダイレクトボンディング修復の適応症
逆にこのようにせまい穴をインレーにて修復しようとすると、詰め物の強度確保と上からはめ込めるような形態に歯を整えていくと、削る量が多くなってしまいます。このような症例では削る量の少ないダイレクトボンディングの方が適しております。
治療費用:4.4〜8.8万円(税込)
治療費詳細はこちら>>>
アンレー修復
虫歯を取り除き、残った歯の部分が薄くなってしまったりすると、詰め物は良くても歯が欠けてしまったりする場合があります。そうなると詰め物もやり直しが必要になるので、場合によっては弱い歯の部分は削って、写真のように修復物で歯の山の部分を覆っていく場合もあります。(これを厳密には「アンレー」と言ったりします。)
セラミック修復は綺麗で身体に優しいメタルフリー修復であり、お口を開けた時の印象も大きく変わります。
治療費・治療期間・治療回数・リスク
E-maxインレーの費用:MO窩洞もしくはOD窩洞8.8万円/本
MOD窩洞 9.9万円/本
E-maxアンレーの費用: 9.9万円/本
治療期間:約2週間(2回)
リスク・副作用:強い衝撃が加わると、つめ物が欠けたり割れたりする可能性があります。必ずしもご希望通りの見た目にならない事があります。根の病気が発生した場合、根管治療の必要性が生じる可能性があります。
修復する歯の状態によってご提案は変わりますので、ご説明・ご相談の上で修復方法は決めていくこととなります。
実際に当院にご来院されました患者様には、具体的な資料やご自身の状況に近い治療実例を見て頂き、治療に関するご相談をさせて頂きます。