グラフに示すように、日本人の歯を失う2大原因は「歯周病」と「虫歯」と報告されていますが、これら2つはいずれも細菌感染症です。
また、岡山大学予防歯科の報告から、1本の歯が抜歯に至るまでにできる治療は4〜5回が限界であることが分かっています。裏を返せば、生涯を通してすべての歯をその4〜5回の治療に収めることができれば、最後まで自分の歯で噛むことができるということになります。人生100年時代と言われる長寿時代の中、1本の歯の治療を4〜5回に収めるには、1回の治療が長持ちすることが絶対条件となります。すなわち、1回の治療は「非常に大切な1回」ということになります。
では、どうすればその1回の治療結果が良好な状態で長持ちすることにつながるでしょうか?
そのポイントは、
❶清掃しやすいかどうか
❷かみ合わせが安定しているかどうか
この2つです。
❶清掃しやすいかどうか
お口の問題の多くの場合、敵は「細菌」です。
お口の中の細菌をコントロールするには、清掃して細菌を減らすことが必要不可欠になります。
ここで一つ注意点があります。それは「清掃する」と「清掃できる」は違うということです。お口の中は環境によっては「頑張って磨いていても磨けていない」ということが多くあります。
例えば、詰め物やかぶせ物に段差がある場合や、歯並びにガタつきがある場合は丁寧に磨いていたとしてもブラシが適切に当たりにくく、汚れが残りやすいと言えます。また、歯の周りの歯ぐきが弱い場合は、歯ブラシを当てようとしても痛みを伴い、十分にお手入れできないこともあります。
❷かみ合わせが安定しているかどうか
虫歯や歯周病、歯の破折などは歯の予後に大きな影響を与えますが、実はそこにはかみ合わせの力も影響していることがほとんどです。
かみ合わせが安定していなければ、歯や歯の支えの組織に過度な力が加わり、ダメージを受けることが多いです。
例えば歯周病は、歯石などの沈着により歯の周りに炎症が生じ、歯の支えの骨が吸収していく病気ですが、炎症が生じたところに過度の力がかかると炎症自体が強くなり、骨の吸収が加速します。
また、虫歯も力の影響で歯の表面にマイクロクラックと言われる細かいヒビが入ることで、ヒビの部分から歯の内部に細菌の侵入が起こりやすくなり、虫歯が発生しやすくなります。
さらにはかみ合わせが安定していないとあごの問題である顎関節症(がくかんせつしょう)を招くリスクまで上がります。
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治療結果が良好に長持ちするためには、これら2つの条件を満たした治療の方法である必要があります。
具体的には、「歯」と「歯ぐき」と「骨」すべての組織ができるだけ連続的になることが重要なポイントとなります。
たとえばこのように歯の並びがガタガタしているとかみ合わせのバランスを取るのも難しいですし、歯ぐきに段差があると清掃するのも非常に難しくなります。また、歯の支えの骨がガタガタしていると、歯ぐきの奥にも汚れが溜まりやすい環境となってしまいます。
逆にこのように歯と歯ぐきと骨が連続的であると、かみ合わせやお手入れのしやすさは向上し、見た目も美しくなります。
後者の状態を目指すためには、歯と歯ぐきと骨それぞれの細部にこだわった治療計画が望まれます。そして、つめ物やかぶせ物による修復を行う場合は、段差のない精密なものをお作りし、清掃したら汚れが取れる環境を目指します。
当院ではさまざまな治療オプションを駆使し、長持ちする要件を満たした治療方法をいくつかご提案できるように、必ず綿密な検査からスタートしていきます。
当院は阪急京都線西山天王山駅徒歩2分、京都縦貫道長岡京インター目の前の立地のため、長岡京市、大山崎町、京都市、向日市、亀岡市、宇治市、城陽市、綾部市、福知山市、高槻市、島本町、枚方市、茨木市、大阪市その他、広域からの来院が可能となっております。