目次
歯並びと噛み合わせ、そして失った歯の再建まで。総合的な治療でより良い結果を
インプラント治療と矯正治療の関係性とは
インプラント治療と矯正治療は、一見まったく別の治療に見えますが、実はお互いに影響し合う密接な関係があります。
矯正治療とインプラント治療を併用する場合、矯正診断は、その後のインプラント治療の成否を左右するほど重要になります。
歯をどこまで動かすのか、最終的な噛み合わせをどう作るのかによって、インプラントの位置・角度・本数までが決まります。
一方で、インプラントを戦略的に活用することで、矯正治療をより効率的かつ精度高く進められることもあります。
両者は無関係ではなく、双方向に影響し合う関係です。将来的に矯正治療の可能性が少しでもある場合は注意が必要です。無計画なインプラント治療は後悔につながる可能性があります。
- 矯正治療では歯を動かして理想の位置に並べる
- インプラントは骨に固定され、動かすことができない
- 周りの歯を動かしたい所にインプラントが入っていると歯を動かせなくなってしまうため、最終の歯並びを考えた上で正しい位置に計画的に埋入する必要がある
- 矯正の診断をもとに計画することで、見た目・機能ともに長期的な安定が得られる
インプラント治療が矯正治療を助けるケース
- 固定源として活用
インプラントは強固な固定源となるため、他の歯を効率よく動かす - 早期の噛み合わせの安定
奥歯が欠損している場合、矯正中に先行してインプラントを入れることで噛み合わせを安定させやすい
インプラント埋入のタイミングは3パターン
矯正の診断結果によって、インプラント埋入の時期は変わります。
- 矯正前に埋入できるケース
歯並びや噛み合わせの条件が整っており、矯正で位置が変わらないと判断される場合 - 矯正途中で埋入するケース
矯正でスペースや歯並び・噛み合わせが整い、途中でインプラント埋入の条件が揃った場合 - 矯正後でないと埋入できないケース
歯並びや噛み合わせが十分に整わないと正しい位置に入れられない場合
治療例(矯正後にインプラント埋入した症例)

こちらの患者様は左下の奥歯が割れており、感染に伴い骨も吸収してきており、歯を抜くしかない状態で来院されました。

抜歯後の状態(丸印)です。左下の奥歯が欠損の状態となっております。さて、この欠損に対して、患者様はインプラント治療をご希望されましたが、前歯の矢印の部分の噛(か)み合わせに注目すると、下の歯が上の歯よりも前にあり、いわゆる反対咬合と言われる受け口の状態でした。過去の報告によると、80歳以上で20本歯が残っている人の割合は、受け口の人に限定すると「0%」という衝撃的な統計データがあります。噛み合わせは歯の予後に大きく影響を及ぼします。一般的に、前歯がうまく機能していない人は、奥歯に力が集中し奥歯から歯が悪くなっていきます。こちらの患者様もそういった噛み合わせの力により奥歯が割れてしまっておりました。よって、歯が悪くなった原因を改善すべく、インプラントを入れる前に矯正治療を行なって、歯の位置の関係を改善してからインプラント埋入を行う計画としました。
矯正検査・診断料 3.3 万円(税込)

先行して矯正治療を進めていき、歯の位置が定まってからインプラント治療を行なっていきました。
全顎マウスピース型矯正(インビザライン) 93.5万円(税込) ※調整料込み

計画通りの位置に最終的なインプラント埋入し、骨造成を併用しております。
当院のインプラント1本の治療費 | 49.5万円(税込)+オプション代 |
オプション内容:骨造成、仮歯、最終上部構造の材質などを必要に応じて追加します。
起こりうるリスク:手術後、痛みや違和感、出血、腫れなどが出る可能性があります。最終上部構造は必ずしもご希望通りの見た目にならない事があります。

事前に矯正治療を行なったことで機能的かつ審美的な噛み合わせに改善し、その上で奥歯の再建を行うことができました。

インプラント最終上部構造が入った状態です。予定通りの適切な位置に歯を作ることができています。
まとめ
- 矯正の診断は、インプラント治療の成功をも決める重要なステップ
- インプラントを戦略的に使えば、矯正の仕上がりも向上
- 両方を総合的に計画することで、見た目・機能ともに長期的に安定
当院では、矯正とインプラントの両面から診断・治療計画の立案を行い、機能的で美しい口元を長く維持できる環境づくりに努めております。
実際に当院にご来院されました患者様には、具体的な資料やご自身の状況に近い治療実例を見て頂き、治療に関するご相談をさせて頂きます。
当院は阪急京都線西山天王山駅徒歩2分、京都縦貫道長岡京インター目の前の立地のため、京都府、大阪府のみならず、兵庫県、滋賀県、三重県、福井県など広域エリアから多くの患者様にご来院いただいております。ご遠方からお越しの患者様は来院の回数が少なくなるように長めの予約時間を確保するなど、ご相談の上でご負担に配慮した治療計画を立案していきます。