感染した歯を長期間放置しておくと、周囲の骨が広範囲に失われます。

50代 男性 噛むと痛い

歯根破折に伴う抜歯

こちらの患者様は歯が割れていた状態で長期間そのままの状態だったことで、歯の周囲は大きな膿のかたまりができており、骨は初診時の時点で大きく吸収していることが確認できました。これ以上残しておくとしびれや骨髄炎などさらに大きな問題になる可能性があり、相談の上で抜歯することとしました。

抜歯後の状態

抜歯後2ヶ月でCT撮影を行うと、骨は大きく失われていたため、インプラント体の固定が望めず、埋め込むにはリスクの高い状態でした。まずは骨を作ってから骨が固まるのを待って改めてインプラント埋入を行うこととしました。

骨造成手術(1回目の手術)

へこんだ歯ぐきを開けていくと、CTの画像通り、骨は大きく陥没している状態でした。こちらのケースにおいては、骨ができて欲しいところに骨移植材が安定するようにチタン製のピンを植立し、テントの支柱を立てるようなイメージで固定しました。そして、骨移植材を設置し、さらにはコラーゲンの吸収性の膜を用いて安定化を図った上で閉鎖しました。

そして約半年待って骨が固まった状態で、インプラントを埋め込むこととしました。

インプラント埋入手術(2回目の手術)

半年後、硬い骨が十分に形成されており、インプラント埋入手術は短時間で問題なく終えることができました。

歯肉増大手術を伴った頭出し手術(3回目の手術)

作った骨とインプラントはしっかりと結合していることが確認ができましたので、インプラント体の頭にキャップを取り付け、インプラント体から歯が立ち上がる準備を行いました。また、抜歯した歯の感染に伴い歯ぐきの減少が認められたため、頭出し手術時に歯ぐきの増大手術も併用しました。

術前・術後の比較です。インプラント周囲に十分な歯ぐきが形成されました。

最終上部構造

骨と歯ぐきが再生され、清掃しやすい形態の最終の歯を作製することができました。

当院のインプラント2本(同時手術)の治療費86.9万円(税込)+オプション代
オプション内容静脈内鎮静、外科用ステント、骨造成、歯肉移植、仮歯、最終上部構造の材質などを必要に応じて追加します。

手術後、痛みや違和感、出血、腫れなどが出る可能性があります。最終上部構造は必ずしもご希望通りの見た目にならない事があります。

インプラント治療のデメリットは、治療期間がかかること、外科手術が必要になること、そして治療費がかかることが挙げられます。

長持ちするための理想的な形の歯を入れるためには、理想的な位置にインプラントを埋入し、足りない骨と歯ぐきを作ることで清掃しやすい環境づくりを行うことがポイントになります。

治療前と治療後の比較

ピンク印:インプラント治療部位

インプラント治療に関しては、さまざまな考え方があるかもしれませんが、当院ではインプラント治療においても治療結果の長期安定が最も大切なポイントであると考えております。そのためには、必要な時には骨造成や歯肉移植などもご提案させていただきます。治療内容に関してはお気軽にご相談ください。 

実際に当院にご来院されました患者様には、具体的な資料やご自身の状況に近い治療実例を見て頂き、治療に関するご相談をさせて頂きます。

監修者情報

歯科医師 小谷洋平

経歴

  • 京都府生まれ 洛南高等学校卒業
  • 2009年 岡山大学歯学部卒業 岡山大学病院にて研修
  • 2010年 貴和会新大阪歯科診療所 入職  佐々木猛先生に師事
  • 2017年 貴和会新大阪歯科診療所 副院長就任
  • 2019年 貴和会銀座歯科診療所 勤務
  • 2021年 おだに歯科クリニック 開院

所属学会 他

  • 日本臨床歯周病学会 認定医 
  • 日本顎咬合学会 咬み合わせ認定医
  • 国際歯科臨床教育研究会 生活習慣と歯周病に関する認定医
  • 日本口腔インプラント学会 会員
  • 日本補綴歯科学会 会員
  • 岡山大学大学院 インプラント再生補綴学分野 地域連携研修登録医
  • 岡山大学病院 口腔インプラント講習会 会員
  • JIADS(The Japan Institute for Advanced Dental Studies)講師
calenda

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