虫歯(う蝕)を治療して修復する時、必ず歯と修復物の間には継ぎ目が生じます。この継ぎ目の精度はとても大切な部分で、ほとんど段差なく治療が終了できると、治療後も清掃できる環境が維持できます。
虫歯に対する対応は虫歯の
歯ぐきより深くに進行した虫歯は、「歯肉縁下う蝕」と言われ、重症度によって異なりますが、その後の対応により予後は大きく変わります。
歯肉縁下う蝕の場合、虫歯だけ見て治療すれば良いわけではなく、周囲の歯ぐきとその奥にある骨の状況によって対応法も様々です。
以前院長小谷は歯肉縁下う蝕の歯科医師向け書籍を執筆しておりまして、長年力を入れて取り組んできた領域の一つになります。
深い歯肉縁下う蝕の場合、そのまま無理して修復しようとするといくつかの問題が生じやすくなります。具体的には、そもそも歯ぐきからの出血で正確に虫歯を取り除くことは難しくなります。そして精密な型取りが難しくなり、歯と修復部との境目の段差が生じやすくなります。修復部位の継ぎ目に段差が生じてしまうと、どのような清掃道具を使ったとしても「磨いても磨けていない」状況が生まれてしまいます。そうなると時間経過とともに継ぎ目の部分から二次的な虫歯が生じやすくなります。また、歯と修復物との継ぎ目は歯ぐきの深い位置に設定されるわけですので、清掃器具を当てること自体が難しくなります。
簡単に「清掃できる」ということはとても重要な長持ちのポイントです。
こちらは20代の女性で、詰め物の周囲の虫歯が確認でき、詰めものを外すと歯肉縁下う蝕の問題がありました。
虫歯の部分が歯ぐきの上に露出するように、「歯冠長延長術」を行いました。
処置にかかった費用8.8万円(税込)
環境改善により、お手入れしやすい位置にかぶせ物の継ぎ目を設定し、予後の向上を図ることができます。
起こりうるリスク:治療後、痛みや違和感、出血、腫れなどが出る事があります。
歯の露出量が増え、適切に修復が行える状態になりました。
術前と術後の比較です。※かぶせものの費用は別途。
継ぎ目の部分に段差がないことが分かります。
歯の長持ちのために、おだに歯科クリニックではお手入れのしやすいかぶせもののご提供に努めております。
実際に当院にご来院されました患者様には、具体的な資料やご自身の状況に近い治療実例を見て頂き、治療に関するご相談をさせて頂きます。